財産分与

財産分与

特有財産の主張は認められなかったものの、「一切の事情」として多額の預金を相続したことを考慮して、財産分与額を減少させた事例(東京高決令4.3.25参照)

相続財産約3600万円のうち、一部については基準時に残っていたと認められる証拠がなく、特有財産であるとして財産分与の対象から除くことはできないものの、「一切の事情」として、財産分与額を減少させる方向の事情として考慮した事例。
財産分与

妻が夫に対し、夫が所有する財産について財産分与対象財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠き不適法であるとした事例(大阪地判令2.3.24)

財産分与請求権は、協議や審判等で具体的内容が形成されるまではその範囲及び内容が不確定・不明確なので、夫婦の他方が所有する財産について、協議等の前に財産分与対象財産であることの確認を求めることはできない
財産分与

婚姻前に夫婦の一方が単独で所有していた建物につき、別居後に発生した賃料収入は、単独所有していた者が全て取得できるとした事例(東京地判令3.2.17)

事案概要 ・平成12年 被告が本件建物を購入し、被告単独名義で所有権保存登記、賃貸に出す・平成15年 婚姻・平成25年 別居・平成28年 本件建物売却(本件建物の住宅ローンは別居前に完済)・平成31年 裁判離婚(本件建物の約32%を...
財産分与

夫婦共有財産の精算について共有物分割訴訟を提起したことが権利の濫用に当たるとされた事例(東京地判令和3.3.9)

事案概要 ・昭和61年 婚姻・平成3年 長男出生・平成7年 夫婦が本件建物を購入。持ち分は夫73分の64、妻73分の6、夫の父73分の3・平成26年 夫婦が家庭内別居・平成31年 離婚認容判決確定・令和元年5月 夫が本件建物を出て単...
財産分与

夫が税理士、妻が専業主婦の夫婦間における財産分与に関し、夫が寄与度を6対4と主張したことに対し、寄与度は同程度であるとした事例(東京家審令3.11.25)

事案概要 ・昭和60年 婚姻・平成10年 夫が税理士資格取得・妻は専業主婦として家事や育児を行っていたが、掃除や洗濯が苦手な性格であった・分与対象財産合計は、約1億1138万円 判断(2分の1) 夫婦共有財産は、...
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離婚判決確定後に、同判決での財産分与の判断の対象外であった財産について、財産分与の申立てをすることはできないとした事例(東京高決令和4.3.11)

事案概要 平成30年 離婚判決(「前件判決」)令和2年 夫が妻に対し財産分与を求める調停の申立て(「本件申立て」。後に審判に移行)。     内容は、前件判決で財産分与の判断とされなかった妻保有の財産の財産分与を求めるもの。原審判断...
財産分与

夫婦の協議段階で財産分与契約が成立したとしてその契約に基づく支払を求めた事案において、最終的かつ確定的な合意ではなく、契約の成立は認められないとした事例(東京地判令和4.3.25)

事案概要 平成21年10月 入籍平成29年12月 離婚平成31年02月 原告が被告に対し財産分与申立て(本件訴訟提起後、取下げ) 判断枠組み 契約は、当事者の意思の合致によって成立するが、ここにいう意思の合致とは...
財産分与

①特に理由もなく別居を開始したものの別居期間が8年に及ぶ場合に、離婚請求が信義則に反するとまでは言い難い、②離婚認容判決における財産分与として、夫婦が同居中に飼育していた犬につき、公平の観点から持ち分割合を定め、その割合で飼育費用を負担すべきとして定期金の支払いを命じた事例(福岡家裁久留米支部判令2.9.24)

1 事案概要 夫婦は婚姻後15年以上共同生活を続けていたが、夫は特に理由もなく自宅を出て別居を開始した。夫は別居期間中、妻の自宅家賃や水道光熱費等を負担して経済的に支援した。夫には定職があり、持ち家も有しているのに対し、妻は無職、借...
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離婚請求に附帯して財産分与の申立てがなされた場合に、財産分与対象財産の一部につき財産分与の裁判をしないことは許されないとした事例(最判令4.12.26)

1 事案概要 (X,Yは夫婦)第1審では、X・Y双方が離婚及び財産分与を求め、第1審は離婚を認めるとともに財産分与に関する裁判をした。これに対し、X・Y双方が財産分与に関する判断に不服があるとして、控訴・附帯控訴した。控訴審は、財産...
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