妻が夫に対し、夫が所有する財産について財産分与対象財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠き不適法であるとした事例(大阪地判令2.3.24)

夫婦の共有財産 財産分与

事案概要

・平成5年~ 女性(原告)と男性(被告)が内縁関係
・平成29年 内縁関係解消
・平成30年 女性が財産分与請求調停申立事件を申立て

女性が男性に対し、男性の女性に対する財産分与の対象財産に未公開株(金額約1億円)等が含まれることの確認を求めた事案

判断

・離婚によって生ずることがあるべき財産分与請求権は、1個の私権たる性格を有するものではあるが、協議あるいは審判等によって具体的内容が形成されるまでは、その範囲及び内容が不確定・不明確なものである(最判昭55.7.11)
・そうすると、夫婦の一方は、夫婦の他方が所有する財産について、協議あるいは審判等によって財産分与請求権の具体的内容が形成される前の段階(すなわち、その範囲及び内容が不確定・不明確なものにとどまっている段階)においては、財産分与対象財産であることの確認を求めることはできず、このような確認を求める訴えは、確認の利益(具体的には、権利保護の利益)を欠き、不適法というべきである
・この理は、内縁の夫婦間においても異ならないというべきである

判断

訴えは不適法であるから却下

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