事案概要
・昭和60年 婚姻
・平成10年 夫が税理士資格取得
・妻は専業主婦として家事や育児を行っていたが、掃除や洗濯が苦手な性格であった
・分与対象財産合計は、約1億1138万円
判断(2分の1)
夫婦共有財産は、夫婦の有形・無形の経済的協力関係により形成されたものであり、これに対する双方の寄与度は、特段の事情がない限り、同程度とみることが相当である。
夫は、①夫名義の資産形成は、専ら税理士である夫の手腕及び能力による、②妻は専業主婦であったが、自宅の掃除や片付けをほとんどせず、自宅はごみ屋敷状態であった等として、分与対象財産に対する寄与度は、夫が6割、妻が4割と主張する。
確かに、婚姻期間中の一定期間、自宅が散らかった状態であったことがうかがわれるものの、㋐夫が婚姻してから13年後に税理士資格を取得し、婚姻当初から高額な収入を得ていたわけではないこと、㋑妻が専業主婦として家事・育児を担ってきたこと、㋒婚姻当初から自宅が散らかった状態であったとまでは認められないことなどから、婚姻期間全体を通じて見れば、寄与度は同程度と認めるのが相当である。