ビジネスホテルに1晩滞在した事実等から不貞行為を推認した事例(東京地判令3.11.2)

親密な男女を後方から見つめる男性 不貞行為

事案概要

・平成30年  夫婦が婚姻
・令和2年2月 妻が夫(原告)に対し、離婚申入れ
・同年3月13日から14日 妻と被告が秋葉原のビジネスホテル(以下「本件ホテル」)に滞在
・令和2年7月頃 夫が被告に対し、不法行為による損害賠償として550万円を請求

被告は、「ホテル滞在中、妻から夫との婚姻関係に対する相談に乗っており、不貞行為はしていない。」と主張。

判断

結論:積極(不貞認定)

・被告と妻は、令和2年3月13日7時19分頃、JR秋葉原駅に移動するなどし、午後9時4分頃、いわゆる恋人つなぎにより手をつないで本件ホテルに向かっているところ、恋愛関係にない者同士において恋人つなぎにより手をつなぐことは通常ではないことは公知の事実であるから、被告と妻が恋愛関係にあることが相当程度推認される。
・本件ホテルの同室に、朝まで一緒に滞在していた(同日午後9時7分頃ホテルに入り同室に入室、翌日午前9時6分ホテル退去)
・本件ホテルに入るまで、一緒に店舗で寝具等を見るなど親密そうな様子を見せていた

これらを併せ考慮すると、被告と妻は、本件ホテルに上記のとおり滞在した際に、不貞行為に及んだものと推認するのが相当である。

被告の主張の排斥

・被告と妻が真に本件ホテルにおいて相談していただけであるとすると、恋人つなぎについて合理的な説明をすることができない。
・妻は、証人尋問において、恋人つなぎにより手をつないでいる写真を見せられ、手をつないでいるようには見えないと述べ、被告は、手をつないだ記憶はないと述べるにとどまり、合理的な説明とはいえない。
・被告と妻は、カラオケ店に行こうと思ったが見つからずビジネスホテルに入ったと述べ、被告はカラオケ店をスマートフォンで検索したが見つからなかった旨述べるものの、JR秋葉原駅付近にカラオケ店があることは公知の事実であり、スマホで探しても見つからないとはおよそ考え難く、供述は極めて不自然
・被告及び妻の不貞行為に及んでいない旨の供述には信用性がない。


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