①婚姻費用分担額の算定に当たっては生活保護費を収入と評価することはできないとしたほか、②病歴等により潜在的稼働能力を否定した事案(東京高決令和4.2.4)

生活保護 婚姻費用・養育費

事案概要

・40代の妻が、同じく40代の夫に対し、婚姻費用分担請求をした事案
・妻は別居後に生活保護を受給し、また、別居前から障害者年金を受給
・夫は、①生活保護費は、税金から支給される収入として扱われるべきである、②妻には就労能力があるので、その収入は、賃金センサスによる平均賃金(388万円)に障害者手当及び母子手当を加算した金額とすべきと主張

判断

① 生活保護費

妻及び子の生活を維持するための費用は、まずは民法上扶養義務を負う夫による婚姻費用の分担によって賄われるべきであり、妻が受給している生活保護費をその収入と評価することはできない。

② 就労能力

・妻は月1回程度の割合で精神科に通院
・平成28年11月から障害基礎年金を受給、障害等級は2級16号
・令和3年6月、主治医に相談せず週3から4日程度、1日当たり4時間の就労を開始したが1か月で断念
・主治医はしばらく静養した方がいいとの見解
・今後の就労の見通しも立っていない
→ これらに鑑みると、少なくとも当面は就労が困難であり、潜在的稼働能力は認められない。

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