婚姻費用につき、夫婦の共有財産である自宅不動産に一方配偶者が居住する場合でも、他方配偶者に対する居住利益の不当利得返還義務は生じないとした事例(東京地裁令4.1.17)

戸建てと電卓 婚姻費用・養育費

事案概要

夫婦は入籍後、自宅不動産を購入して居住したが、その後夫が自宅を出る形で別居となった。
妻から夫に対する婚姻費用分担請求に対し、夫が、「妻は自宅不動産への居住による利益を不当に利得しており、その金額は、住宅ローンと固定資産税の年額の半分を12月で割った金額である。」などとして、婚姻費用との相殺を主張した。

判断

婚姻中の夫婦の一方は、夫婦共有財産について、その清算をするに際して当事者間で協議がされるなど、具体的な権利内容が形成されない限り、相手方に主張することのできる具体的な権利を有しているものではない。
そのため、妻が登記上自宅不動産の建物の共有持ち分2分の1を有しているとしても、妻が自宅不動産に居住することで、その居住により利益を不当に取得し、夫が損失を受けたとは言えないとして、夫の主張を排斥した。

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