妻から夫の不貞相手に対する損害賠償請求訴訟において、慰謝料額を300万円と認定した事例(東京地判令和3.1.20)

男性の後ろ姿を不審そうに見つめる女性 不貞行為

事案概要

・平成18年 婚姻
・平成21年・23年 長女及び次女出生
・平成27年 研修医として入職した不貞相手(被告)が、責任者であった夫の指導を受けることに
・平成28年11月~平成29年3月 夫と不貞相手が複数回肉体関係(以下「本件不貞行為」)
・平成29年1月 不貞相手がBと婚姻(同年10月に離婚)
・同年7月~ 不貞相手が夫に夫の子を妊娠した旨伝え、夫が妻(原告)に同旨を伝える
・平成30年 不貞相手が女児出産、夫が認知し、妻と同居していた自宅を出て、以後不貞相手とその子と同居

妻が不貞相手に対し、慰謝料等約1305万円等の支払いを求めた事案。

判断

・妻と夫は、婚姻後、本件不貞行為が発覚するまで、約11年間にわたって平穏な家庭生活を営んでおり、妻と夫の婚姻関係は、本件不貞行為によって、破綻したと認められる
・妻は、本件不貞行為を契機として、食欲不振や睡眠障害などの心身の不調による通院をするようになった
・妻と夫の間には、未成熟子である小学生の娘が2人いる
・妻は、夫との離婚を望んでおらず、不貞相手に対し、夫との関係を解消するよう述べたが、不貞相手は、妻の申し出を拒絶し、夫との関係を継続し、現在、夫との間の子と共に夫と同居中である
・なお、妻は、うつ病とPTSDの治療費を別途損害として請求している(中略)が、本件不貞行為とうつ病等の発症との間に相当因果関係があるとまではいえないから、妻が通院を継続している事情は、慰謝料の増額事由として考慮することが相当

結論(慰謝料300万円、弁護士費用30万円→330万円認容)

妻と夫が未だ離婚していないことを考慮したとしても、慰謝料は300万円が相当

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