元妻の元夫に対する不貞行為を理由とする慰謝料等請求訴訟において、元妻の損害を認定しつつ、訴外不貞相手が既に弁済したこと等により損害の填補を受けたとして請求を棄却した事例(東京地判令1.12.18)

背景が暗いお金 不貞行為

事案概要

・平成28年 婚姻
・平成29年 元夫(被告)と不貞相手が20回程度肉体関係を持つ
・平成30年 元妻(原告)と元夫が協議離婚

元妻が元夫に対し、婚姻期間中に不貞行為を行ったことにより離婚に至ったと主張し、慰謝料等の支払いを求めた

判断

元妻に生じた損害

・結婚式のキャンセルによる損害 19万7200円(前払金及び衣装代)
・調査費用 0円(不貞行為と相当因果関係のある損害とはいえない)
・治療費 0円(急性ストレス障害は不貞行為と相当因果関係のある損害とは認められない)
・慰謝料 150万円
・弁護士費用 16万9000円
・計 186万6200円

不貞相手による和解金の弁済

・元夫と不貞相手は、不貞行為について共同不法行為者の関係にあるから、元夫及び不貞相手が元妻に対して負う損害賠償債務は、いわゆる不真正連帯債務の関係にある
・当事者間において、少なくとも元夫が元妻に5万円を弁済したこと、不貞相手が元妻に250万円を弁済したことに争いはない
・そうすると、元妻は、元夫との関係で有する損害賠償請求権の全部について填補を受けたものと認められる

結論

請求棄却

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