事案概要
・平成9年 元夫(原告)と元妻が婚姻
・平成29年8月~ 被告が元妻と不貞行為
・同年12月~平成30年2月 元夫が精神病院入院
・令和元年 元夫と元妻が離婚
元夫が、被告に対し、当時の元夫の妻と不貞行為に及んだとして、慰謝料1650万円等の支払いを求めた
判断
・被告は、平成29年8月ころから令和元年7月19日までの約2年の間、多数回にわたって不貞行為に及んだ
・元夫が精神病院への入院などで不在の間に元夫の自宅で不貞行為に及ぶことも複数回あった
・このことからすれば、不貞行為の悪質性は相応に高い
・被告は、元妻に対し、別居や元夫から現金を引き出すことを働きかけたのみならず、元夫にコレステロールの高い食べ物を食べさせ早く殺してしまう、元夫をショック死させる、毒魚を食べさせるな度のメールを送っており、これらが実行に移されたと認めるに足りる証拠はないものの、冗談だとしても悪質であり、元夫と元妻の婚姻共同生活の平和が害されたというべきであるし、これを知った元夫の精神的衝撃も大きい
・以上に加え、婚姻期間が約20年、元夫と元妻が離婚に至ったことその他の本件に現れた諸事情を総合考慮すると、元夫が受けた精神的苦痛を慰謝するには、250万円をもって相当と認める
結論(275万円)
慰謝料250万円、弁護士費用相当損害額25万円、不法行為後の日(令和元年7月20日)からの遅延損害金