元妻が前件審判の定める面会交流を実施しないとして、元夫が面会交流の時期、方法等を定めるよう求めた審判で、面会交流の確実な実施のために元妻がすべき給付の内容を特定すべきとした事例(福岡家審令2.1.10)

子を抱きかかえる父 面会交流

事案概要

・平成27年 未成年者の親権者を元妻と定めて離婚
・平成30年 前件審判(面会交流につき、平成31年以降、毎年3月、7月、12月に各1回、各回2時間等としたもの)
・同年7月~ 初回の面会交流から実施されず、以後面会交流なし
・平成31年 履行勧告(奏功せず)
・令和元年 元夫が面会交流調停申立て、審判に移行(元妻は調停・審判とも欠席)

判断

・面会交流を拒否する元妻の姿勢が強固なものであること(中略)からすると、面会交流の確実な実施のためには、監護親である元妻がすべき給付の内容を特定すべきである
・前件審判の主文で定められた毎年3月、7月、12月は未成年者が長期の休みが予定されている時期であり、現在小学生である未成年者にとって適切な時期であると考えられる
・その各月の第4土曜日はその長期の休みに入った頃の時期であり、これもまた未成年者にとって最も負担が少ない時期であると考えられる
・午前11時から午後1時までの時間帯も未成年者にとって負担は少ないと考えられる
・毎月3月、7月、12月の各第4土曜日の午前11時から午後1時頃までと定めるのが相当である
・引渡場所も、未成年者の生活圏にあり、見知った場所であることが未成年者にとって望ましく、未成年者の居住地から近い大型ショッピングセンター内に定めるのが相当である

結論

・前件審判の主文の定める面会交流について、直接の面会交流については元妻の給付内容を特定するため変更すべきである

1 相手方は、申立人に対し、次のとおり、申立人と未成年者を面会交流させなければならない。
 ⑴ 面会交流の頻度 毎年3月、7月、12月の各第4土曜日
 ⑵ 各回の面会交流時間 午前11時から午後1時まで
 ⑶ 未成年者の引渡場所 相手方は、面会交流開始時に、D所在のE前において未成年者を申立人に引渡し、申立人は、面会交流終了時に、同所において未成年者を相手方に引き渡す。

タイトルとURLをコピーしました