夫から妻の不貞相手に対する損害賠償請求訴訟において、夫の損害額を230万円(慰謝料170万円、探偵費用40万円、弁護士費用20万円)とした事例(東京地判令4.6.9)

親密な男女を後方から見つめる男性 不貞行為

事案概要

夫婦歴

・平成13年婚姻の届出、平成17年と平成19年にそれぞれ子が出生。
・平成30年3月頃から同年9月頃までの間、家族旅行や夫婦で映画鑑賞に行っていた

不貞の経緯とその後

・平成28年5月頃から平成31年1月頃までの間、継続的に不貞行為に及ぶ
・平成30年12月、妻が被告との関係を優先しようと考え、夫に離婚を申し出(不貞のことは秘匿)
・上記離婚の申し出を受けて、夫が探偵を依頼し、探偵調査費用として約383万円を支出
・夫が不貞相手に対し、約751万円の損害賠償の支払いを求める訴訟を提起

判断

慰謝料:170万円

理由:①平成29年3月以降は継続的に不貞行為に及ぶ(不貞行為の状況)、②不貞相手が妻に対し関係性を明確にすることを求めたことをきっかけに妻が夫に離婚の申し出をしたことで突如、夫婦関係が破綻の危機に瀕した(不貞が婚姻関係に直接影響)、③婚姻期間は15年以上、④中学生と小学生の子あり、その他の一切の事情を総合考慮

探偵費用:40万円

理由:①夫は、現に不貞行為を継続している妻から、そのことを秘匿したままで離婚を求められており、適正な解決に資する証拠収集の必要性が特に高い状況にあった、②調査依頼時点で、妻の不貞行為に関する有力な証拠・情報を収集できておらず、調査以外に合理的な手段方法がなかった、③調査の結果、離婚の申し出と密接に関連している不貞相手との不貞行為を裏付ける有力な証拠が得られた

弁護士費用:20万円

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