有責配偶者からの離婚請求が認容された事例(未成熟子なし、同居期間4年余、別居期間8年、双方51歳。東京家判令2.2.19)

離れて座る男女 不貞行為

事案概要

・平成19年 婚姻、子なし
・平成21年 夫(原告)が女性と不貞
・平成23年 夫が別の住居を借り、自宅外で寝泊まり開始
・平成25年 婚費調停で婚費を月13万円とすることを合意、妻(被告)は同居時の住居から転居
・平成29年 夫が離婚調停申立て、不成立
・平成30年 夫が本件離婚訴訟提起

判断1:婚姻関係の破綻

・夫は平成23年に自宅外で寝泊まりを始め、別の住居を借りて生活の本拠としており、それ以来現在まで長期間別居を継続しており、この間、夫婦間に関係修復に向けた具体的な取組が行われた形跡はない
・夫が別居に及んだ背景には、自らの不貞の発覚が発端ではあるものの夫婦仲の悪化があり、夫が現在も被告との離婚を強く希望していることも併せて考えると、妻が今もなお婚姻継続を希望していることを踏まえても、夫婦間の婚姻関係はもはや修復は極めて困難というべきであり、現時点では破綻していると認められる
・夫婦には、婚姻を継続し難い重大な事由がある

判断2:有責配偶者の抗弁の成否

・夫婦に未成熟子はおらず、婚姻後の同居期間が4年余りであるのに対し別居期間は8年で、現在51歳という双方の年齢や同居期間との対比においても、別居は長期に及んでいる
・夫婦不仲の原因は夫の不貞であるものの、夫が不貞相手との交際を現在も継続しているなど、本件離婚請求が認められた場合に妻が精神的・社会的に極めて過酷な状態に置かれるというべき事情は見当たらない
・経済的に見ても、夫は、平成25年4月以降は調停で決まった月額13万円の婚姻費用を現在まで支払い続けており、妻も婚姻前の仕事に再び就いているから、妻が離婚後に経済的に過酷な状況に陥るとはいえない
・夫は離婚給付として450万円の金員の提供を申し出ており、この金額は財産分与により夫が支払うべき金額(166万円)を大きく上回っており、相応の慰謝料給付を申し出ているものと評価することができる

・夫の離婚請求を認容することは、著しく社会正義に反するとまではいえず、夫が婚姻破綻に関する有責配偶者であってもこれを棄却することはできない

結論

夫の離婚請求認容


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