離婚裁判・審判例

その他

婚姻関係破綻の原因は元夫による元妻に対する暴力等にある一方、元妻にも破綻について一定の責任があるとして、元夫に慰謝料180万円の支払いを命じた事例(東京地判令1.12.13)

夫からの暴力が複数回、断続的にあり、妻からの暴力相談支援センターへの相談や110番通報などが複数回あったことから、婚姻関係破綻の原因は専ら夫の暴力にあるものの、他方で妻が配偶者として十分な配慮をもって接したこともうかがわれないことから、暴力に至る経緯に妻の落ち度が一切ないとはいえず、慰謝料額は180万円とした
不貞行為

再婚を目的としたウェブサイトで知り合った女性が既婚者であることを、性行為に及ぶ前に知ることは困難であったとして、元夫からの損害賠償請求を棄却した事例(東京地判令1.12.17)

知り合ってから性行為に及ぶまでの期間が短期間であったこと、既婚者であることを隠して再婚を目的としたウェブサイトに登録した女性が、知り合って間もない被告に離婚が未了であると伝えたとは考え難いこと、被告から女性に対し、住民票の提示を求めること等は困難であったことから、被告に配偶者の存在についての故意又は過失はないとした。
不貞行為

夫の別居先で4日連続夫と会っており、その際手を繋いだりキスをしていた等の間接事実から不貞関係を認定した事例(東京地判令和1.12.18)

夫の別居先での宿泊の事実は認定できないものの、4日連続で夜7時頃から11時頃まで同所に滞在しており、同所から帰る際には夫と手をつないだりキスをしたりしていた等の事実から、不貞関係にあったと認定した
不貞行為

元妻の元夫に対する不貞行為を理由とする慰謝料等請求訴訟において、元妻の損害を認定しつつ、訴外不貞相手が既に弁済したこと等により損害の填補を受けたとして請求を棄却した事例(東京地判令1.12.18)

元夫の不貞行為を理由とする元妻の損害額は約186万円であり、不貞相手が妻に250万円を弁済していること等から、元妻は損害全額について填補を受けたとして、請求が棄却された
面会交流

元妻が前件審判の定める面会交流を実施しないとして、元夫が面会交流の時期、方法等を定めるよう求めた審判で、面会交流の確実な実施のために元妻がすべき給付の内容を特定すべきとした事例(福岡家審令2.1.10)

面会交流の確実な実施のために、以前の審判の内容を変更し、頻度や時間、引渡し場所等を具体的に定めた
その他

不貞相手の父と友人、不貞をした配偶者の父に対し、不貞を認識させる内容の葉書等を送付した行為につき、不貞相手に対する不法行為が成立するとし、慰謝料額は計30万円とした事例(東京地判令2.2.10)

夫と女性とが不貞行為をしたことを、夫や女性の親族・知人に手紙等で知らせる行為は、名誉棄損及びプライバシー侵害に当たるとし、慰謝料合計30万円が相当とした。
不貞行為

有責配偶者からの離婚請求が認容された事例(未成熟子なし、同居期間4年余、別居期間8年、双方51歳。東京家判令2.2.19)

未成熟子なし、同居期間4年余りに対し別居期間8年等から別居は長期に及んでいる上、不貞相手との関係継続なし、婚費継続支払い、離婚給付を大きく上回る金員提供の申し出をしている等の事情から有責配偶者からの離婚請求であっても棄却することはできないとした。
その他

難病を患った妻と子らを自宅に残して実家に帰った夫に対し、①離婚慰謝料の額を500万円と認定し、②妻の障害年金の受給は養育費算定に際し考慮しないとした事例(東京家判立川支部令2.3.12)

夫が、中途失明に近い状態になった妻と小学生の子を残して実家に帰ったこと、報酬の振込口座を変更したり、住宅ローンの支払いを停止したりしたこと等から、悪意の遺棄をしたとし、慰謝料500万円を認定した
面会交流

監護親は、審判に従って面会交流を実施するため非監護親と誠実に協議・調整すべき条理上の注意義務を負担しているとした上で、本件では同義務の違反は認められないとした事例(東京地判令2.3.13)

監護親が適切な時期に面会交流の具体的実施方法の打診をした上で、双方の都合を踏まえて代替日の要請をしたりしており、敢えて非監護親の差支え日を指定した等の事情もないことから、実質的に協議・調整を拒否したとはいえないとした
財産分与

妻が夫に対し、夫が所有する財産について財産分与対象財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠き不適法であるとした事例(大阪地判令2.3.24)

財産分与請求権は、協議や審判等で具体的内容が形成されるまではその範囲及び内容が不確定・不明確なので、夫婦の他方が所有する財産について、協議等の前に財産分与対象財産であることの確認を求めることはできない
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